『近世イギリスのやぶ医者の社会史』

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近世イギリスのやぶ医者の社会史』(岡崎康一、象山社)を読み返していたら(本棚になぜか二冊もあった。pdfで全文読めることを知った)、次のような一節がありました。

二人のやぶ医者が、フランス王(著者注。ルイ十四世)のまえで、どちらがよりすぐれた医者であるか論争になった。雌雄をけっすべく、二人は命を賭して、やってみることになった。どちらが先にはじめるかを決めるためにクジを引き、クジを引いたのち、片方が他方に毒をあたえ、それを飲めといった。いわれた方は毒の入ったコップを受けとり、それを飲んだ。そのあと、彼は自分の解毒剤を飲み、体を少しこすると息をふきかえした。その後、彼は完全に復調し、こんどは相手にある散薬を渡し、それを鼻の孔から吸いこめといった。相手はいわれたとおりにして、死亡した。解毒剤はなんの役にもたたなかった。王は、残ったやぶ医者に、いま彼に渡したものはなんだと尋ねた。もっとも有害な潰蕩から抽出した毒でございますと彼は答えた。

サー・トマス・アイシャムという人物が残した1670年代の日記の記述だそうです。『嘘喰い』でこんな感じの勝負をやってますな。臨床心理士(ヤブ)同士が「決闘」するとしたらどんな戦いになるのだろう、なんて想像してしまいました。

それだけ。

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