自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder;ASD)の患者30人を対象に、Wechsler式知能検査(WAIS-Ⅲ)と自閉症スペクトラム指数(AQ)を実施し、その関連を検討した研究。

ASD患者のWAIS-Ⅲでは言語に関する認知機能が他の認知機能に比べて高かった。さらにWAIS-Ⅲの動作性IQや絵画配列とAQの注意の切り替えやコミュニケーションの間に正の相関がみられた。すなわち予想されるのとは逆に,動作性IQや絵画配列の能力が高いほど主観的には困難を強く自覚していることが示唆された。

成人高機能自閉症スペクトラム障害におけるWechsler式知能検査と自閉症スペクトラム指数との関連, 精神医学

生育史や現在の困難、WAIS-Ⅲなどの心理検査にはかなりはっきりASDの特徴が表れているのに、AQなどの自己申告の質問紙ではまったくそうした特徴や困難を自覚していない人たちも確かに多い。

いわゆる「積極奇異型」と呼ばれるような人のなかには、「自分は社交的でコミュニケーションが得意だ」と体験している場合もあるので、周囲の受け取り方とズレが大きいのだろう。