ワーキングメモリーには、「この思考は誰かが私に言ったものか、それとも私自身が考えたものか」といった頭の中に存在する情報の出展に関するものも含まれる。

ということで、ワーキングメモリーの障害は、統合失調症に大きな問題を引き起こす認知機能障害の1つとされています。実行機能とも関係していると考えられています。

数唱は、健常者と比べてスパンが平均して1項目少なくなります。また、逆唱や語音整列などのより複雑な「ワーキング」要素が入ったスパン課題では、より重い障害が示されることが多いのです。

外部由来情報と自己生産情報の混乱は、統合失調症における幻覚と妄想の発言の理論のいくつかでは非常に重要なものである(Keefe, 2000)。自己の経験のモニタリング(すなわち自己認識過程)は、健常な認知機能において非常に重要である。これは、外部の出来事と内部の経験を区別し、その基本的なレベルでは位置や動作、身体の向きといった現在の身体についての要素のモニターを助ける。

聞いた情報と、頭に浮かんだ情報の区別がうまくできない、モニタリングできないということが、幻聴の原因のひとつと言えるのではないかとのことでした。

「うそをつくのが苦手」とか「まったく話題にしたことのないはなしを、あたかも前に話したかのように言及する」といった、統合失調症の患者さんによくあることも、同じ理由から説明できるのでしょう。
統合失調症の認知機能ハンドブック―生活機能の改善のために