自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

リストカットをやめたくてもやめられない。

薬物に依存したり、あるいは自分を傷つけてしまうような恋愛や人間関係を繰り返してしまう。

恋人や友人、あるいは子どもが自傷行為をしていることに気づいた。

あるいは、関わっている生徒やクライエント、患者さんが自傷している。

そういった人たちにおすすめ。

リストカットなどの自傷行為をせずにはいられない人たちに向けて、精神科医が「診察の際に患者さんに伝えてきたこと」「おおぜいの患者さんが明日からの生活にすぐに役立てられる」ことを書いたような本だ。

10代の若者のおよそ1割は、少なくとも一度は自分の身体を刃物で傷つけるという自傷を経験したことがある。1クラスに30人いれば、3人はリストカットなどをしたことがあることになる。それなのに多くの人は、自傷についてあまり知らない。自傷は「他人にアピールするためにしている」ととらえられることがあるが、実際は自傷する人たちはそれを隠そうとするからだ。

自傷していることが知られたら「恥ずかしい」と感じる、あるいは「関心を引こうとしている」と誤解されるのを恐れて、誰にも打ち明けられずに一人で悩む人が多いのだ。

それに、誰かに助けを求めても、「親からもらった身体を大切にしなくちゃ」といったありきたりな言葉をかけられてかえって傷ついてしまう結果になることもあるだろう。

あなたは、自傷している人のことを弱くてダメな人間だと勘違いしていませんか。あるいは、とても人様に自分の本当の姿を見せることなどできない、恥ずかしい存在、それとも、大してつらくもないのに表現がおおげさで人騒がせな人間だ、などと決めつけてはいないでしょうか。 私はそんなふうには思いません。それどころか、自傷する人はすごく自分に厳しくて、根性のある人が多いとさえ感じています。

いわゆるリストカットやアームカットなどの自傷だけでなく、薬物への依存や乱用、拒食や過食などの摂食障害、支配されたり否定されるような人間関係にはまりこんでしまうといった問題も、「自分を傷つける」こととして捉えられている。

自傷は、死ぬためでも、誰かにアピールするためでもなく、心の痛みを鎮めるための「鎮痛薬」として行なわれる。あるいは逆に、「生きている実感がない」「現実感が乏しい」といった状態から、なんとか現実に立ち戻る方法として行なわれることもある。

自傷から回復するためのヒントとして、いくつかの「置き換えスキル」や生活の立て直し方、いい精神科医の探し方まで、具体的に紹介されている。