時計描画検査(CDT)で1分間認知機能スクリーニング

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改定長谷川式簡易知能評価スケールには、意図してだろうが、動作性の検査が含まれていない。

視覚的認知機能や運動機能を評価したいと思ったら、何を使うといいだろうか?

時計描画検査(CDT:clock drawing test)が適切だと思う。

時計描画検査(CDT:clock drawing test)

時計描画検査は、アメリカの医学会でMMSEと並んで重視されている心理検査だ。認知機能のスクリーニングとして簡易に用いることができるので、おやと思ったらバウムテストの裏側などに描いてもらうことがある(いっしょに鈴木ビネーの「球探し」課題をしてもらうこともある)。 視空間機能やプランニング、数字や時間概念の認識(あるいは時間の見当識)、目と手の協応、前頭葉機能、実行機能などを評価することができる。

認知症や認知機能障害がある人(高次脳機能障害や統合失調症の人など)は、「時計が描けない」「何かが欠けている」といったことがはっきり表れることが多いので、認知面の重症度の探りを入れやすい検査だと思う。

時計描画テストと改訂長谷川式簡易知能評価スケールとの相関について

河野和彦『認知症の診断〈改訂版〉アルツハイマライゼーションと時計描画検査』という本が詳しい。認知症の診断 改訂版―アルツハイマライゼーションと時計描画検査 (認知症ハンドブック(1))

認知症初期の兆候(アルツハイマライゼーションと呼ばれているそうだ)を見逃さないために、時計描画検査を用いるための方法や工夫が詳しく記されている。

臨床家のための認知症スクリーニング―MMSE、時計描画検査、その他の実践的検査法

こちらの本は、もっていないけどぱらぱら読んだことがある。

実施法と採点

いくつものバリエーションがあるが、河野の方法は次の通り。

B5サイズの用紙を3枚と鉛筆を用意して、

A:真っ白な紙に「時計の絵を描いてください」と教示。

B:直径8センチの円が描かれた紙に、「数字だけを描いてください」と教示。

C:直径8センチの完成された文字盤の描かれた紙に、「10時10分の針を描いてください」と教示。

と3段階で検査を実施する。

描画検査の有用性と今後の展望について – 福山大学

Clock Drawing Test (CDT) の評価法に関する臨床的検討

リハビリ医療における認知機能スクリーニングについて -時計描画検査

には、いくつかの実施・採点方法が紹介されている。

バウムの裏などに描いてもらうときはA4の画用紙なので、いきなり「ここに時計の絵を描いてください。数字も全部書いて、針が10時10分を指しているようにしてください」と伝えることが多い。

上記の本には採点方法も紹介されているが、あまり厳密に数値化したりはしていない。

記憶課題と組み合わせたMini-Cog

「Mini-Cog」(Mini-Cog assessment instrument)という認知症のスクリーニング検査では、時計描画と言葉の記憶の遅延再生が組み合わされている。

被験者は、「桜、猫、電車」などの3つの言葉を聞いて、2度復唱して覚えることを求められる。

その後、時計を描いてもらい、続いて先ほどの3単語を再生してもらうという課題だ。

3単語のうち、1つも思い出すことができなければ、認知症の可能性が高いとされている。

また、2つくらいは思い出せても、時計描画がおかしければ、やはり認知症の可能性がある。
Mini-Cog™

統合失調症の認知障害を時計描画でアセスメントする

Clock Drawing Test in patients with schizophrenia.

統合失調症の認知障害を探るためにも用いられているとのこと。

 

 

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