心理学

『ライフストーリー・レビュー入門:過去に光を当てる、ナラティヴ・アプローチの新しい方法』

少し前に、ニューヨークで流行っているらしい「The Moth StorySLAMs (ザ・モス ストーリースラムス)」というイベントについての記事を読みました(HEAPS“一般人版”のTED?情熱大陸? フツーの人の“赤裸々体験談”が「有料トークイベント」になるワケ)。

語り手がステージに上がり、お題にそったストーリーを5分間で話すというイベントで、「他の人は話を遮らない」「自分の経験に基づいた実話を話す」といったことがルールだといいます。

一般人向けのTEDとか情熱大陸と記事タイトルには書かれていますが、「すべらない話」っぽいような気もします。

とはいえ、「トーク力」を競う場ではないのだそうです。

あくまでも「あなたの口から、あなた自身の話が聞きたいんですよ」と市井の人々のストーリーに価値を見出し、それを共有する場

とのこと。

 

続きを読む

ベンダー・ゲシュタルト・テスト

ベンダー・ゲシュタルト・テスト(Bender Gestalt Tet, Beder Visual Motor Gestalt Test)

ベンダー・ゲシュタルト・テスト(Bender Gestalt Tet, Beder Visual Motor Gestalt Test)は、ベンダー(Bender,L.)が1938年に考案した心理検査で、はがき大の9枚の幾何学図形を1枚の用紙に模写するという課題。

Lauretta Bender

Lauretta Bender(1897-1987)

用いられている図形は、ゲシュタルト心理学を作ったヴェルトハイマー(Weltheimer)によるものだ。ヴェルトハイマーは、人間が物を近くするときにゲシュタルト(全体をもったまとまりのある構造)として知覚する原理を研究した。「近接の要因」「閉合の要因」「よい連続の要因」といた「プレグナンツ(簡潔さ)の法則」を提唱している。

Lauretta Bender

ローレッタ・ベンダーは、モンタナ州のビュートという町に生まれた。学校での適応に問題があったようで、小学1年生を3回もしたとwikipediaに記載されていた。読み書きが困難で、逆さ文字などを書いていたため、知的障害があると考えられていたという。父親が彼女のディスレクシア(読字障害)の克服の手助けをし、後にアイオワ州立医科大学で医師となった。

ベンダーは、ジョン・ホプキンス病院でポール・シルダー(Paul Schilder)という精神分析家と出会い、恋に落ちた。シルダーは結婚していたが、後に離婚して、1936年にベンダーと再婚したとのこと。3人の子どもをもうけたが、シルダーは交通事故で亡くなってしまった。ベンダーは70才のときにHenry B. Parkesというニューヨーク大学の歴史学の教授と再婚した。

第二次世界大戦とベンダー・ゲシュタルト・テストの発展

ベンダー・ゲシュタルト・テストは、第二次世界大戦で数多く見られた戦争神経症や心因反応、器質的な疾患を短時間でスクリーニングするための心理検査として発展した。

兵士の適性を見るためのテストとしても用いられたという。

ベンダーは解釈の基準や採点方法などを残さなかったが、後にPascal Sattel法(成人対象)や、Koppiz法(児童対象)などが考案されている。

視覚的な認知能力や、視覚と運動の協応、構成能力などを見る神経心理学検査として用いられることが多いが、投映法的な見方をすることもある。

ベンダー・ゲシュタルト・テストにおける 日本人の標準値:文献的検討[pdf]

で日本人の標準値を知ることができるが、年齢や研究によって幅が広すぎるのがやや使いにくい。

 
Bender Gestalt Screening for Brain Dysfunction

この本の採点システムだと、「回転」や「単純化」「断片化」といった12項目のうち、全体で何項目該当するかということだけでスクリーニングできるが、日本人対象には標準化されていない。

中野光子『高次脳機能診断法』山王出版、2002年

では、点数化してしまうと質的な分析ができないという理由で、あえて数量化せずに解釈すると書かれていた。それもありだと思う。

Bender Visual-Motor Gestalt Test, Second Edition (Bender-Gestalt II)

現在、アメリカではベンダー・ゲシュタルト・テストの改訂版(BGTⅡ)が使用されているようだ。こちらは16の図形が含まれている。検索して調べてみると、透視立方体や主観的輪郭の図形が含まれていて、より難易度が上がっている。

しかし16枚だとさらに使いにくいような気もする。